【product】

自分の結婚式が4月にあったのですが、そのときにお配りする引き菓子をオリジナルで制作しました。

プチギフトは作ったことがあったけど、引き菓子は初めて。そして、自分がお客さんというのも今回が初めてでした。

フードコーディネーター仲間とOnakaやKIPPISといったユニットを組んで、今までそれを軸に活動してきたけれど、ふと自分がお客さんになったときに、「千葉かおりとして作りたいものって何だろう…」と、正直戸惑いました。
自分で引き菓子を作ると決めてからの数ヶ月は、引き菓子のコンセプトを決めているようで、自分と向き合う時間だったようにも感じます。

たくさん考えて出した答えは「白」
自分のしあわせな気持ちを詰め込んだ引き菓子を作りたい。そう思ったときに思い浮かんだのは、クッキーを作る工程の風景でした。小麦粉のサラサラとした美しさや、やわらかくしたバターのとろける質感、砂糖のキラキラとした様子など、素材のもつ美しさにふとした瞬間、心動かされています。そんな素朴だけれど、幸せな瞬間を箱に詰め込んで、大切な人たちに贈ろう、と思いました。

ニュアンスの異なる白を3種類作ることにし、さて色をどう表現しようと考えたときに思い浮かんだのが、日本の伝統色でした。
自然や素材の美しさを表現した日本の伝統色は、私が表現したい素材の美しさと重なる部分があるのでは、と。

どの焼き菓子にしようか、どの色にしようか、迷いに迷いこの組み合わせに。
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月白(つきしろ) 
月が昇り、東の空が段々と白んでいくときの色です。夜空の色に月の光が重なる様子をイメージし、サブレを薄いアイシングで覆いました。

卯の花(うのはな)
その名の通り、"卯の花"のような僅かに黄色味を帯びた白です。素朴で優しい花のありようを、薄い焼き色のショートブレッドでシンプルに表現しました。

白練(しろねり)
真っ白で美しい練絹の色です。
シルクの光沢と高級感を、たっぷりのホワイトチョコレートに込めました。
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すりガラスのような質感のトレーシングペーパーでリーフレットを作り、純白のはり箱に焼き菓子を詰め、リボンも透け感のある素材にし、白が重なり合った引き菓子が完成しました。

引き菓子をつくるのは、想像以上の大変さだったけど、後日ゲストの方々から「美味しかった!」の声を聞けて、大変だった事など一気に吹き飛んでしまいました。その言葉を聞くのが一番の醍醐味。

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